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障害者と外国人にやさしい福祉現場へ|ピクトグラムで視覚支援と業務効率化

障害者と外国人にやさしい福祉現場へ|ピクトグラムで視覚支援と業務効率化

はじめに|“見るだけで伝わる”が現場を変える

外国人・障害者支援にも有効!ピクトグラム活用術

福祉・介護・就労支援の現場では、さまざまな年齢・特性・文化背景を持った人と関わります。その中で「言葉が通じにくい」「説明しても伝わらない」といったコミュニケーションの壁に直面したことがある方も多いのではないでしょうか。
そんなときに頼れるのが、“一目で伝わる”視覚情報「ピクトグラム」です。

ピクトグラムは、言葉に頼らず視覚で情報を伝えることで、支援者と利用者双方の理解を深め、業務の効率化にもつながる強力なツールです。この記事では、福祉現場での活用事例やおすすめ素材サイト、実際のフィールドレポートを交えながら、すぐに使えるヒントをご紹介します。

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相談支援専門員のフィールドレポート|“見える”だけで不安が減る

視覚支援で利用者の安心感を引き出す方法

ある生活介護事業所での面談で、利用初日の不安が強い利用者さんがいました。新しい環境に圧倒されていたその方に、職員が提示したのは、絵で示された「一日のスケジュールボード」。

朝の会、作業、昼食、午後の活動、帰宅準備──すべてがピクトグラムで可視化されていました。

最初は言葉が出なかったその利用者さんも、スケジュールを見ることで次の動きを理解でき、徐々に落ち着いた表情に。「次はコレだね」と指差しでコミュニケーションが生まれたことは、支援者側にも大きな自信になりました。

言葉では不安をうまく表現できない人にとって、ピクトグラムは“予測できる安心感”を与えてくれます。これは単なる情報伝達ではなく、“安心の支援”につながる重要な一歩だと実感しています。

相談支援専門員のフィールドレポート|“見える”だけで不安が減る
ピクトグラムは“予測できる安心感”を与えてくれる

なぜピクトグラムが福祉現場で役立つのか

視覚優位の情報伝達が、支援の質を底上げする

人は情報の約8割を視覚から得ていると言われています。つまり、視覚を使って伝えた方が圧倒的に理解されやすいのです。ピクトグラムは、視覚的に情報を伝えるアイコンで、「説明不要で伝わる」「一瞬で理解できる」という利点があります。

福祉現場では、利用者さんの認知機能や理解力に合わせた情報提供が求められる場面が多く、ピクトグラムの活用は支援の質を高める重要な手段となります。

多様な背景を持つ人に届くツール

多様な背景を持つ人に届くツール
ピクトグラムの魅力は、言語や読み書き能力に依存しないことです。
認知症や知的障害のある方
発達障害で文字情報が苦手な方
日本語を母語としない外国人労働者
高齢で視力や認知機能が低下している方

ピクトグラムの魅力は、言語や読み書き能力に依存しないことです。

  • 認知症や知的障害のある方
  • 発達障害で文字情報が苦手な方
  • 日本語を母語としない外国人労働者
  • 高齢で視力や認知機能が低下している方

こうした利用者さんに対しても、ピクトグラムは「伝わる」可能性を広げてくれます。

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活用シーン|“あると便利”な現場の工夫

一日の流れや作業工程を見える化

「次は何をすればいいのか」「今どの段階なのか」を視覚的に示すことで、安心感が生まれます。日課のスケジュールや作業の手順をピクトグラムで一覧化するだけで、説明の手間も減り、職員・利用者の双方がスムーズに動けます。

掲示物や案内表示の改善に

施設内の掲示物や案内板も、文字だけでは伝わりにくいことがあります。トイレ・食堂・休憩所・危険箇所などの表示にピクトグラムを用いることで、初めて来た方や読み書きが苦手な方にも、直感的に場所や注意点を伝えることができます。

職員間の共有ツールとして

業務の申し送りやチェックリストにもピクトグラムは有効です。作業内容や注意事項をアイコン化すれば、引き継ぎがスムーズになり、ミスや抜け漏れを減らせます。新人研修やマニュアルにも使いやすく、教育コストの削減にもつながります。

おすすめピクトグラムサイト3選|すぐ使えるフリー素材

【1】ICOOON MONO https://icooon-mono.com/

  • モノトーンで統一感のあるシンプルなアイコンが特徴
  • 約7,000点以上の素材が無料でダウンロード可能
  • PNGやSVG形式に対応、資料や掲示物に使いやすい

【2】シルエットAC https://www.silhouette-ac.com/

  • 日本語対応の素材サイトで検索しやすい
  • 人物や動作に関するアイコンも豊富で、場面設定に使いやすい
  • 登録無料。PNG・AI・EPSなど多形式でダウンロード可能
  • ポスターや掲示物に最適なイラストも多数あり

【3】ARASAAC https://arasaac.org/

  • 視覚支援を目的とした国際的な素材ライブラリ(スペイン発)
  • 多言語対応で、外国人労働者や海外利用者とのコミュニケーションにも有効
  • 教育・療育にも使える豊富なカテゴリがトです。

ARASAACのご利用にあたっての注意点

ARASAACはスペイン発のサイトで、インターフェースの主要言語はスペイン語および英語となっています。日本語での検索やナビゲーションは限定的ですが、Google翻訳などのブラウザ翻訳機能を使えば、日本語環境でも問題なく活用できます。
また、日本語表記付きのピクトグラムも一部存在しますが、数は限られています。外国人労働者とのコミュニケーション支援や多言語対応を重視する現場には特におすすめのサイトです。

まとめ|“わかりやすさ”が支援と業務の質を高める

ピクトグラム導入で実感する業務改善と支援力アップ

ピクトグラムは、単なるアイコン以上の価値を持ちます。それは「誰にとってもわかりやすい」ことが、支援者と利用者の信頼関係を築き、現場の混乱を減らし、結果的に業務の効率化やミス防止につながるからです。現場の小さな困りごとを“見える化”すること。それが、より良い支援の第一歩になります。
まずは、ひとつの作業手順や掲示物から取り入れてみてはいかがでしょうか。

シンパ、現場直送!福祉HACK
シンパ(@sinpa_fukushi)

この記事を書いた人

福祉の世界に飛び込んだのは、まったくの未経験から。それでも気づけば15年以上──就労継続支援B型・A型、就労移行支援を渡り歩き、職業指導員・生活支援員・管理者・サービス管理責任者を経て、いまは社会福祉法人で相談支援専門員として働いています。途中で社会福祉士資格も取得しました。

多様な立場で現場を見てきたぶん、「働きづらさ」や「支援の悩み」のリアルに共感できます。だからこそ、このブログでは “支援の質を高めながら、仕事をラクにおもしろくするヒント” をお届け中。ICTツールやちょっとした工夫で、明日の現場が少しでも軽くなる──そんなアイデアを発信しています。

趣味は若手お笑い芸人の追っかけ。無名の芸人さんが化けていく瞬間にワクワクするんです。福祉の現場にも、同じように輝く“原石”がたくさんいるはず。そんな人たちが自分らしく光る職場づくりを、一緒に考えていけたらうれしいです。

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